大人の発達障害に対する認知行動療法～自閉スペクトラム症編～

公開日:2022/11/14最終更新日:2022/11/14

大人の発達障害とは？

• 大人の発達障害とは，大人になって発症したという意味ではなく，社会的要求が高くなるにしたがい，もともと存在していた個人の発達特性が顕在化したという意味です。
• 発達障害という言葉は，精神医学の用語ではありません。精神疾患の診断・統計マニュアル第5版（DSM5）では，神経発達症群としてまとめられています。
• 神経発達症群には様々な疾患がおさめられていますが，おおまかに，自閉スペクトラム症（ASD）注意欠如・多動症（ADHD），限局性学習症（SLD）にわけられます。

自閉スペクトラム症とは？

• Autism Spectrum Disorder（ASD）
• 中核症状
  1）対人関係の困難さ
  2）強いこだわりと繰り返しの行動
• 具体例
  1）表情から相手の感情を汲み取ることが苦手等
  2）マイルールに固執する，感覚の過敏（鈍麻）

自閉スペクトラム症と二次障害

自閉スペクトラム症に対する認知行動療法

• 『ASDに気づいてケアするCBTーACAT実践ガイド』が日本語で読むことのできるASDに対するCBTプロトコル
• Aware and care for my autistic traits ; ACAT
• ステップ①問題に気づく
  ステップ②問題のメカニズムを知る
  ステップ③問題のケアをする

ACATの中核セッション

認知行動療法＋αしている部分

• ASD特性に関する心理教育が充実していること
• 対処行動を考えるうえで，周囲に配慮を求めることが前提としてある

まとめ

• 大人の発達障害は，大人になって発症する発達障害ではない
• 自閉スペクトラム症（ASD）に対する認知行動療法はACAT
• ACATのベースは標準的な認知行動療法
• •認知行動療法に＋αしている部分が2点ある