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全般不安症と認知行動療法

はじめに

全般不安症は、私たちの日常生活に深刻な影響を与えることがあります。この症状を経験する人々は、常に心配や不安に苦しんでいます。この記事では、全般不安症について詳しく説明し、解決策について情報提供いたします。

全般不安症とは何ですか?

全般不安症(GAD)は、日常的な心配や不安が支配的な状態です。GADの症状には、不安感や緊張感、睡眠障害、消化器系の問題などが含まれます。これらの症状が長期間続く場合、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

全般不安症は、年齢、性別、人種、文化、職業などに関係なく、誰にでも発生する可能性があります。GADの症状が現れる年齢は、一般的に20代後半から30代前半にかけてですが、子供や年配の人にも発生する場合があります。

全般不安症に対する認知行動療法

認知行動療法(CBT)は、全般性不安障害(GAD)に対する有効な治療法です。GADに対する3つのCBTプロトコルを比較したランダム化比較試験では、認知療法、論理療法(Rational Emotive Behavior Therapy)、メタ認知療法があります。この研究では、3つのアプローチともGADの症状を軽減するのに同等の効果があることが判明しました(参考)。CBTは、抗不安薬を含めるかどうかにかかわらず、GADの治療に使用することができます。また、GADの「ゴールデンスタンダード」と呼ばれる心理療法とされています(参考)。ランダム化比較試験のメタアナリシスでは、プラセボと比較した場合、CBTは不安障害に対して中程度の効能を持つ治療法であるとされています(参考)

全般不安症に使用される認知行動療法のテクニック

認知行動療法(CBT)は、全般性不安障害(GAD)に対する治療法として選択されています(参考)。GADに対するCBTでは、機能分析、心理教育、エクスポージャーやリラクゼーションなど、新しい行動や感情の実験、認知的アプローチなどが用いられます(参考)。不安障害の治療では、認知療法がエクスポージャーなどの行動技法と併用されることが多いとされています(参考)

GADのCBTでは、リラクゼーショントレーニングも重要な要素です(参考)。イメージ・エクスポージャーを含むCBTは、応用リラクゼーションや非指示的療法と比較して、12ヶ月のフォローアップ後にGAD患者の機能が向上することが研究で示されています(参考)。さらに最近の研究では、認知療法、イメージ・エクスポージャーを用いた応用リラクゼーション、およびこれらの組み合わせによる治療を比較した結果、GADの治療成績において、両者の間に差はないことが明らかになりました(参考)

また、Dugasらは、GADの治療において、認知療法と暴露の両方を含むCBT治療は、一般的にリラクゼーションと同等であることを明らかにしたが、待機的対照群と比較した場合、認知療法+エクスポージャーは応用リラクゼーションよりも優れていることを指摘しています(参考)

GADに対するCBTでは、クライアントが注意力制御資源を活用して目の前のタスクに集中し、良質な情報による注意の捕捉を促す技法を採用する必要があります。認知過程の観点からCBTに取り組むと、心配事のトピックが絶えず移り変わり、効率が悪くなる可能性があるためです。したがって、GADに対するCBTは、役に立つの解釈を容易にする、あるいは肯定的な処理を促進する技法を含める必要があります(参考)

CBTでよく使われる2つのテクニックは、穏やかな呼吸意識的に呼吸をゆっくりにしていく「呼吸法」と、漸進的筋弛緩訓練(これはさまざまな筋肉を体系的に緊張させたり弛緩させたりする)です。他のスキルと同様に、これらのリラクゼーション戦略は、練習すればするほど、より効果的になります(参考)

全般不安症の症状

全般不安症の症状には、以下のようなものがあります。

  • 緊張感や不安感が常にある
  • 落ち着かない、イライラする、不安定な気持ちになる
  • 集中力や注意力が低下する
  • 睡眠障害や不眠症、早期覚醒などの睡眠障害がある
  • 消化器系の問題、胃痛、下痢などがある
  • 頭痛や筋肉の緊張などの身体的な症状がある
  • 不安感に対して、慢性的な回避行動をとる
  • 常に危機感や災害感を感じる
  • 無秩序な思考や、負の思考が続く

これらの症状が長期間続く場合、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。全般不安症の症状は、個人によって異なる場合がありますが、心身共に不調を感じる人も多いです。しばしば、生活や仕事に支障をきたし、人間関係の悪化なども招くことがあります。

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