こころの相談室UP - TOP
ご予約はこちら

「疲れやすい」お悩み相談

はじめに

疲労感は、人々が日常的に経験する感覚の1つであり、様々な要因によって引き起こされます。この記事では、疲労感について探究し、その原因と管理方法について考察します。

疲労感の原因

疲労感の原因は、様々な要因によって引き起こされます。その中には、身体的な疲れやストレス、運動不足、栄養不足、睡眠不足、病気などがあります。これらの要因が、個人が感じる疲労感の程度に影響を与えます。

身体的な疲れやストレス

身体的な疲れやストレスは、疲労感の最も一般的な原因の1つです。長時間の肉体労働や運動、またはストレスの多い状況で働くことは、身体的な疲労を引き起こし、疲労感を増大させます。

運動不足

運動不足は、身体的な健康に悪影響を与えるだけでなく、疲労感の原因にもなります。運動不足により、心肺機能が低下し、筋肉の弱さが増大します。このため、日常生活において疲れやすくなります。

栄養不足

栄養不足は、体内のエネルギー供給が不十分になるため、疲労感を引き起こす原因となります。特に、ビタミンやミネラル不足は、身体の機能低下を引き起こし、疲労感を増大させます。

睡眠不足

睡眠不足は、疲労感の最も一般的な原因の1つであり、日中の活動に大きな影響を与えます。睡眠不足により、身体が十分な休息を取ることができず、疲労感が蓄積されます。

病気

疲労感は、慢性的な疾患のサインであることがあります。慢性的な疾患には、自己免疫疾患、がん、心臓病、糖尿病などがあります。これらの疾患は、身体に大きな負担をかけ、疲労感を引き起こします。

疲労感に対する認知行動療法

認知行動療法(CBT)は、慢性疲労症候群(CFS)の治療に有効です。CBTは、CFS患者の疲労、気分、体力などの症状を軽減することが示されています。慢性疲労の治療におけるCBTの有効性に関するメタアナリシスでは、グループ間アウトカム比較のための15のエフェクトサイズが含まれ、CBTがコントロール条件(特別な関りをしていない群)よりも有効であることが明らかにされました。

CBTはCFSの治療に一般的に用いられており、疲労の軽減に効果があることが示されています。ランダム化比較試験において、慢性疲労症候群に対する認知行動療法とリラクゼーションを比較したところ、CBTはリラクゼーションよりも効果が高いことが明らかになりました。グループCBTは、個人療法を用いた試験と同程度の効果があることも判明しています。

ケースフォーミュレーション 疲労感が改善されない原因を恐怖回避モデルで説明しています。恐怖回避モデルは、不快な体験への恐怖が身体活動を回避する結果となり、それによって体力が低下し、さらに悪化することを示唆しています。

介入技法の例

段階的な行動活性化 ウォーキング、サイクリング、スイミング、ピラティスなどのエクササイズを、短時間から始めて徐々に増やしていきます。ただ単に活動的になることを目指すのではなく、活動と休息を症状に応じてではなく一貫して行うことを目的としています。これにより、日常生活の能力を徐々に高めながら、過度な休息を少しずつ減らしていくことができます。

エクササイズを自分で選択し、継続することはとても難しいものです。そのような場合、カウンセラーと一緒に目標や計画を立て、モチベーションを維持することが大切です。

疲労感と健康

疲労感が長期間続く場合は、健康問題のサインである可能性があります。疲労感が長期間続く場合、医師に相談することが重要です。また、疲労感が他の症状と一緒に現れる場合は、病気のサインである可能性があります。この場合も、医師に相談することをお勧めします。

結論

疲労感は、身体的な疲れやストレス、運動不足、栄養不足、睡眠不足、病気などの要因によって引き起こされます。疲労感を軽減するためには、健康的なライフスタイルを維持することが重要です。疲労感が長期間続く場合は、健康問題のサインである可能性がありますので、医師に相談することをお勧めします。

ご相談はこちらから

上記のような症状がある場合、「カウンセラーに相談しながら症状改善を目指したい」と思われたり、「病院受診すべきか相談したい」と思われた方は、こちらからお気軽にご予約ください。

参考文献

Adamson J, Ali S, Santhouse A, Wessely S, and Chalder T. “Cognitive Behavioural Therapy for Chronic Fatigue and Chronic Fatigue Syndrome: Outcomes from a Specialist Clinic in the UK.” Journal of the Royal Society of Medicine, vol. 113, no. 10, Oct. 2020, pp. 394-402, doi: 10.1177/0141076820951545, PMID: 32930040, PMCID: PMC7583448.

Deale A, Chalder T, Marks I, and Wessely S. “Cognitive Behavior Therapy for Chronic Fatigue Syndrome: A Randomized Controlled Trial.” American Journal of Psychiatry, vol. 154, no. 3, Mar. 1997, pp. 408-14, doi: 10.1176/ajp.154.3.408, PMID: 9054791.

Gotaas, M. E., Stiles, T. C., Bjørngaard, J. H., Borchgrevink, P. C., and Fors, E. A. “Cognitive Behavioral Therapy Improves Physical Function and Fatigue in Mild and Moderate Chronic Fatigue Syndrome: A Consecutive Randomized Controlled Trial of Standard and Short Interventions.” Frontiers in Psychiatry, vol. 12, 2021, article 580924, doi: 10.3389/fpsyt.2021.580924.

O’Dowd H, Gladwell P, Rogers CA, Hollinghurst S, and Gregory A. “Cognitive Behavioural Therapy in Chronic Fatigue Syndrome: A Randomised Controlled Trial of an Outpatient Group Programme.” Health Technology Assessment, vol. 10, no. 37, Oct. 2006, pp. iii-iv, ix-x, 1-121, doi: 10.3310/hta10370, PMID: 17014748.

Price JR, Mitchell E, Tidy E, and Hunot V. “Cognitive Behaviour Therapy for Chronic Fatigue Syndrome in Adults.” Cochrane Database of Systematic Reviews, no. 3, 2008, CD001027, doi: 10.1002/14651858.CD001027.pub2, PMID: 18646067, PMCID: PMC7028002.