人生の中でも特に動きが多いと言える時期があります。それが「思春期」と呼ばれる時期です。思春期は生物学的な成熟と共に精神的、社会的な変化が起こる、まさに人間の成長と自己形成の中心となるフェーズです。通常、思春期は10歳から19歳までの間に発生するとされています。しかし、個々の体験は大きく異なるため、これらの年齢範囲はあくまで一般的なガイドラインであり、それぞれの個人によって少し早かったり遅かったりします。
思春期の意義は非常に深いです。この時期は、人間が子どもから大人へと移行するための、一種の「準備期間」でもあります。また、自己認識の形成、自立の探求、人間関係の深化など、精神的、社会的な成長が加速する一方で、思春期には多くの挑戦が伴います。この時期に起こる変化は、生涯にわたる自己の理解と自己評価に影響を及ぼす可能性があるため、非常に重要です。
思春期には心身の変化が顕著に見られます。身体的な成長スパート、性的成熟(第二次性徴)、そして脳の急速な発達など、生物学的な変化が顕著です。また、思春期は自我とアイデンティティの発展、価値観の探求、そして感情的な深化と複雑さの増加といった心の変化も伴います。これら全てが合わさることで、思春期はしばしば混乱と困惑の時期ともなります。
しかし、この混乱は成長と自己発見の一部であり、新たな視点と理解を持つ機会を提供します。思春期に起こるこれらの変化を理解し、対処することができれば、これは人生の中で最も重要な期間となる可能性があります。
認知行動療法(CBT)は、小児・青年の不安障害に対する有効な治療法として認識されています。CBTは、子どもや青少年がより自立的で適応的な行動を実現するための、怒りの調節や社会的問題解決のスキルを提供します。
ここで紹介するのは、これに関する研究で得られた主な知見です。
全体的に見て、CBTは不安障害やその他の精神衛生上の問題を抱える子どもや青少年にとって有望な治療法と言えます。CBTは、症状を管理し、全体的な幸福感を向上させるために必要なスキルを提供する手段なのです。
本ブログでは、生命の成長過程で重要な段階とされる「思春期」に焦点を当てています。思春期は、生物学的な成熟を背景に、精神的・社会的な変化が起こる期間で、これは人間の成長と自己形成に大きく寄与します。しかし、この時期は混乱と困惑の象徴でもあります。
特に、自己イメージの変化、社会的圧力、ピアプレッシャー、学業のプレッシャー、自己評価と自己効力感の問題、性的自認と性的指向の混乱などが、思春期の若者たちが直面する一連の困りごととして取り上げられました。こうした問題への対応として、認知行動療法(CBT)の可能性が示唆されています。
研究によれば、CBTは小児・青少年の不安障害に有効であり、自立的で適応的な行動を可能にするスキルを提供するとの結論が得られています。その他の精神衛生上の問題にも対応可能で、全体的な幸福感の向上に貢献することが期待されています。
思春期の困難は、成長と自己発見の一部であり、CBTの活用によってこれらの困難を克服し、思春期を有意義な成長期とする道が開かれると言えます。
カウンセリングのご予約は予約ページからどうぞ٩( ᐛ )و
参考文献
Kreuze LJ, Pijnenborg GHM, de Jonge YB, Nauta MH. Cognitive-behavior therapy for children and adolescents with anxiety disorders: A meta-analysis of secondary outcomes. J Anxiety Disord. 2018 Dec;60:43-57. doi: 10.1016/j.janxdis.2018.10.005. Epub 2018 Oct 30. PMID: 30447493.
James AC, Reardon T, Soler A, James G, Creswell C. Cognitive behavioural therapy for anxiety disorders in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2020 Nov 16;11(11):CD013162. doi: 10.1002/14651858.CD013162.pub2. PMID: 33196111; PMCID: PMC8092480.
James AC, James G, Cowdrey FA, Soler A, Choke A. Cognitive behavioural therapy for anxiety disorders in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Feb 18;2015(2):CD004690. doi: 10.1002/14651858.CD004690.pub4. PMID: 25692403; PMCID: PMC6491167.
Sigurvinsdóttir AL, Jensínudóttir KB, Baldvinsdóttir KD, Smárason O, Skarphedinsson G. Effectiveness of cognitive behavioral therapy (CBT) for child and adolescent anxiety disorders across different CBT modalities and comparisons: a systematic review and meta-analysis. Nord J Psychiatry. 2020 Apr;74(3):168-180. doi: 10.1080/08039488.2019.1686653. Epub 2019 Nov 18. PMID: 31738631.
Matthys W, Schutter DJLG. Increasing Effectiveness of Cognitive Behavioral Therapy for Conduct Problems in Children and Adolescents: What Can We Learn from Neuroimaging Studies? Clin Child Fam Psychol Rev. 2021 Sep;24(3):484-499. doi: 10.1007/s10567-021-00346-4. Epub 2021 Mar 8. PMID: 33683495; PMCID: PMC8324588.
Muñoz-Solomando A, Kendall T, Whittington CJ. Cognitive behavioural therapy for children and adolescents. Curr Opin Psychiatry. 2008 Jul;21(4):332-7. doi: 10.1097/YCO.0b013e328305097c. PMID: 18520736.