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【不眠症】不眠症状があると朝起きるのは大変!

皆さんこんにちは٩( ᐛ )و
今回のブログのテーマは,検索キーワード「不眠症 朝起きられない」について書いていきたいと思います。

朝起きられないという困りごとで思いつくもの

「朝起きられない」という困りごとを伺ったとき,ぱっと思いつくもので,精神疾患,身体の問題,環境の影響,ストレス要因が考えられました。

つまり,「朝起きられない」という困りごとがある場合,背景にどのような問題があるか情報を整理する必要がありそうです。

精神疾患

何らかの精神疾患に罹患しており,その影響で睡眠に問題が生じ,その結果として朝起きられないという現症が生じている可能性を検討してみましょう。

精神疾患には様々な種類がありますが,睡眠に影響を与える代表的な精神疾患として,気分障害(双極性障害,抑うつ障害),睡眠-覚醒障害群が考えられます。

気分障害とは,双極性障害(気分が“ハイ”になる時期と気分が落ち込む時期があるもの),うつ病(気分が落ち込む時期のみがあるもの)の2つを指しています。

気分が“ハイ”な時期に見られる睡眠の特徴は,「眠らなくても平気」な状態が4日以上続くものです。一方,気分が落ち込んでいる時期に見られる睡眠の特徴は「寝つきが悪い,途中で目が覚める,ぐっすり寝た感覚がしない」というものです。

気分障害は薬物療法による治療が一般的ですが,薬物療法と行動療法を併用することも少なくありません。

睡眠-覚醒障害群で代表的なものは不眠症です。不眠症とは,寝つきが悪い,途中で目が覚める,ぐっすり眠った感覚がしないという症状が週3回以上,3ヶ月間持続するものを指します。

不眠症もまた,薬物療法による治療が一般的ですが,不眠症に対する認知行動療法(CBT-i)が第一選択肢とされる場合もあります。

精神疾患において,朝起きられないことが問題となるのは,不眠症状によるものだと考えられます。つまり,十分な睡眠がとれておらず,起床時刻になっても朝起きるのがつらいというものです。

身体の問題

身体の問題で,朝起きられないという特徴が生じる代表的なものは,起立性調節障害です。

起立性調節障害とは,自律神経系の異常で,循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患です。中高学生の約10%が罹患していると言われており,軽症~重症まで含めると全国で7万人と推定されます。

起立性調節障害の治療法は,適度な運動,食事療法,生活リズムの改善,薬物療法があげられます。

朝起きられないという症状のため,怠けと捉えられがちですが,身体に問題が起きているため,本人の意思とは無関係に症状は出現します。小児科や神経内科をに相談し,適切な治療を受けることが望ましいでしょう。

環境の影響

特に冬場に起こる環境の影響として,早朝の部屋が寒く,布団から出られないというものが考えられます。

このような場合は,起床時刻の30分前くらいに暖房のタイマーをセットしておいて,布団の中と部屋の温度の差が少なるなるような工夫をすることで,布団から出やすくなる可能性があります。

気合で起きるという方法は一度止めてみて,環境を整えることで意志の力に頼らずに起きられる方法を探してみましょう。

ストレス要因

朝起きられないという現症をストレス要因で説明するとキリがないという側面がありますが,直近のストレス要因を見なおしてみることはとても大切です。

最近仕事が忙しくなった,子育てが忙しくなった,人間関係がこじれている等々,様々なストレス要因があることでしょう。

ストレスマネジメントの第一歩は,どのようなストレスが心身に影響を与えているか自覚することです。

朝起きることで,どのような一日が始まるかイメージしてみて,一日の中のどの時間帯や活動を避けたいがために朝起きたくないのかという質問を自身に問いかけてみることも良いかも知れません。

そして,各々のストレス要因に即したストレスマネジメント法を選択し,試してみましょう。このような個別性の高い問題に対して,心理カウンセリングや行動療法は何かお役に立てることがあるかも知れません。

まとめ

「朝起きられない」という困りごと1つを考えてみても,様々な要因が考えられました。まずは,朝起きられないことを取り囲んでいる問題を特定し,問題に即した解決方法を試してみることが望ましいと考えられます。

それでは今日はこの辺で٩( ᐛ )و