今回は検索キーワードを「強迫性障害 症状」に設定してみました٩( ᐛ )و
そもそも論について,ブログを書いたことがなかったので,今回は症状について書いてみたいと思います( ..)φ
精神疾患の診断を考える際に,必ず参考にするマニュアルをDSM5と言います。
DSM5の6.強迫症および関連症群のページで確認してみましょう。
強迫症は,英語ではObsessive–compulsive disorder(OCD)と記載されています。そして,診断基準はA~Dと4つのカテゴリーに分かれていました。
特に症状に関連する,AとBをチェックしてみましょう!
基準A:強迫観念,強迫行為,またはその両方の存在
基準B:強迫観念または強迫行為は時間を浪費させる(1日1時間以上かける),または臨床的に意味のある苦痛,または社会的に,職業的,または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
基準C~Dは,基準AとBは物質(薬物など),他の疾患(身体,精神)の影響で説明できませんか~?という内容ですφ(`д´)
繰り返される持続的な思考,衝動,またはイメージで,それは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており,たいていの人においてはそれは強い不安や苦痛の原因となる。
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
☞自分の意志とは無関係に頭の中に思考(「鍵はちゃんとかけたかな?」),衝動,イメージ(映像として頭に浮かぶ)が浮かび,それによって苦痛が喚起されるものが強迫観念です。
その人はその思考,衝動,またはイメージを無視したり抑え込もうとしたり,または何か他の思考や行動(例:強迫行為を行うなど)によって中和しようと試みる。
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
☞苦痛を軽減させようと,原因と思われる頭の中の思考,衝動,イメージを何とかしようと頑張ります。
繰り返しの行動(例:手を洗う,順番に並べる,確認する)または心の中の行為であり,その人は強迫観念に対応して,または厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うように駆り立てられるように感じている。
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
☞強迫行為は儀式行為とも呼ばれています(当相談室ではセッション中,儀式行為という呼び方で統一しています)。
☞強迫観念→不快な感情・感覚→強迫行為→不快な感情・感覚の軽減という流れになっています。
☞心の中の行為とは,別名メンタルチェッキングです。例えば「鍵を閉めたかな?」という強迫観念が浮かんだときに,頭の中で鍵を閉めた場面をイメージし,「うん,閉めてる!」と安心するようなことを指しています。
☞厳密に適用しなくてはいけないある決まりとは,例えば,手を洗うという強迫行為を行う際,手を濡らす→ハンドソープを3プッシュ→人差し指から小指を順番に洗う→水で3回洗い流すというようなことを指しています。途中でこの流れが中断されると最初から行うということが多いです。
まずは強迫行為のきっかけ,頻度,持続時間をメモしましょう!他にも,一ヶ月の水道代やハンドソープ代など,強迫行為によって産出されている事柄についても確認し,メモしておくことが大切です。
メモすることにより,強迫行為のきっかけが明確になり,パターンが見えてきます。そして,1日でどれくらいの時間などを強迫行為に費やしているか数字という客観指標で自覚することは現状の理解に繋がりますし,認知行動療法前後で比較することで,回復の状況を客観的に知ることができます。途中でモチベーションが下がったときに最初のメモを見返し,回復を振り返ることも良いかも知れません٩( ᐛ )و
参考文献
Association, A. P., & Others. (2014). DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル. 日本精神神経学会・監修, 医学書院.