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【Week2】不眠症改善のための睡眠効率の計算と良眠のコツを知ろう!

寝つきに時間がかかる,途中で目がさめる,ぐっすり寝た気がしないという睡眠の困りごとを抱えている方に向けて,前回の記事では睡眠日誌のつけ方についてご紹介しました。

睡眠日誌を1週間つけることができましたか?1週間記録を書くことだけでも大変なことです。もし睡眠日誌をつけることがうまくできなかったら,睡眠日誌を置く場所を工夫したり,リマインダーを設定してみたりしてみましょう。

前回の記事でもご紹介したように,アメリカ心理学会は,不眠症に対して認知行動療法を推奨しています。

※上の画像はアメリカ心理学会の公式ホームページより転載しています。「Strong」とは,推奨しているという意味です。

睡眠日誌をつけることは最初のステップでしたが,今回の記事では睡眠の分析の仕方良眠のコツをご紹介します。

この記事を読み終える頃には,1週間の睡眠効率を算出する方法や科学的に支持されている良眠のコツを知ることができます。

不眠症改善に役立つ睡眠日誌の分析の仕方

睡眠日誌のデータをもとに,1週間の睡眠効率を計算し,どれくらい効率よく眠ることができているか把握してみましょう。
睡眠効率とは,どれくらい効率よく眠れていたかという指標で0~100%で表されます。そして,85%以上でよく眠れていると評価することができます。

睡眠効率は,以下の4ステップで算出することができます。

ステップ1
睡眠日誌の(11)ベッドにいた時間(合計)は(3)〇時にベッドに入りました」~(9)〇時 にベッドから出ましたまでの時間を出します
ステップ2
睡眠日誌の(10)睡眠時間(合計)は(4)電気を消して寝ようとした時刻~(8)〇時に目がさめましたまでの時間を出します
ステップ3
一週間分の睡眠時間とベッドにいた時間を出します。
ステップ4
1週間の平均睡眠時間÷1週間のベッドにいた時間×100を計算します。

さて,睡眠効率は何%でしたか?1日ごとの睡眠の状態に一喜一憂せず,1週間単位で睡眠の状態を評価していきましょう。

科学的に支持された良眠のコツ

良眠のコツは,個人の経験によるものから科学的に支持されたものまで,様々なものがあります。時に,巷で話題になっている良眠のコツが科学的に支持されている良眠のコツと反対のことがあるので注意が必要です。その一方で,良眠できればそれで良いので,自分なりに良眠できるコツを探してみることも良いでしょう。

まずは,以下の6点の良眠のコツを実践してみましょう。

良眠のコツ1:カフェイン等の刺激物を避け,就寝前のリラックス法を見つけましょう。

カフェインには覚醒作用があるため,眠る前に飲んでしまうと良眠の妨げになります。また,カフェインは摂取してから約4時間効果が持続すると言われているので,眠る4時間前にはカフェインをとらないようにしましょう。

就寝前に心身をリラックスさせることは,良眠に繋がります。リラックス方法には個人差がありますが,オススメのリラックス方法は,漸進的筋弛緩訓練です。このリラクゼーション法は,科学的に効果が検証されており,練習すればするほど上達すると言われています。

良眠のコツ2:眠気がきてからベッドに入り,就寝時刻にこだわらないようにしましょう。

寝つきが悪かったり,途中で目がさめることが続いてしまうと睡眠時間の帳尻を合わせるために早めにベッドに入りたくなることがあるかも知れません。また,横になっているだけで身体の疲れはとれるという巷の噂もあり,眠気がないにも関わらずベッドに入ってしまうことがあるかも知れません。

眠気がないにも関わらずベッドに入ってしまうと,ベッド=起きておくところと身体が記憶してしまうという問題が生じてしまいます。これを回避するするために,ベッドに入ったらすぐに眠れるように,眠気がきてからベッドに入るようにしましょう。

良眠のコツ3:就寝時刻はバラバラでOK。起床時刻は一定にしましょう。

良眠のコツ2で紹介したように,眠気がないにも関わらずベッドに入ってしまうと,ベッド=起きておくところと身体が記憶してしまい,ベッドに入ると目がさめてしまうという困った結果になってしまいます。眠気がきてからベッドに入るという習慣にすると,就寝時刻がバラバラになってしまうかも知れません。

しかし,それでOKです。就寝時刻はバラバラでOKですが,起床時刻は一定にしましょう。「昨日は眠るのが遅かったから今日は遅くまで寝ていよう」と起床時刻を遅らせてしまうと,睡眠のリズムが全体的に後退してしまいます。また,起床後は30分ほど目から太陽の光を取り込み体内時計を整えることもオススメです。

良眠のコツ4:昼寝は15時までに20分~30分にしましょう。

睡眠圧(≒疲労)が高まることで眠気が生じます。日中,学校や仕事などで頭や身体を使うことで睡眠圧が徐々に高まり,夜にピークを迎え,眠気が生じるというメカニズムがあります。

しかし,15時以降に仮眠をとったり,仮眠の長さを30分以上にしてしまうと睡眠圧が解消され,再度睡眠圧が高まるまで活動しなければ眠気が生じなくなります。その結果,夜になっても眠気が生じないという問題が起こるのです。仮眠をとることでパフォーマンスが向上するという知見があるので,仮眠を習慣にするというライフハックがありますが,夜の睡眠に影響のない範囲の仮眠にしましょう。

良眠のコツ5:眠りが浅いときは,積極的に遅寝・早起きしましょう。

熟睡できなかった日は,日中の眠気や倦怠感があるため,横になったり早くベッドに入りたくなったりするかも知れません。

しかし,いつもの就寝時刻より早く眠ってしまうと途中で目がさめること,朝早く目がさめることに繋がってしまいます。だいたいいつもベッドに入る時刻に眠るようにし,朝は早く起きるようにして睡眠の密度を圧縮するイメージで過ごしてみましょう。

良眠のコツ6:就寝前のアルコールは避さけましょう。

就寝前のアルコール摂取は,一時的に寝つきをよくする働きがありますが,結果的には睡眠の質を下げてしまうことに繋がります。

また,お酒には利尿作用があるため,途中で目がさめることにも繋がってしまいます。晩酌タイムは就寝前を避けるようにしましょう。

まとめ

今回は睡眠日誌の分析の仕方と科学的に支持された良眠のコツをご紹介しました。
次の1週間は睡眠日誌を継続しつつ,良眠のコツを実践してみましょう٩( ᐛ )و