脳科学者たちは何十年も前から、ランニングやウォーキング、静止器具でのカーディオといった有酸素運動が、人間やネズミの脳の海馬という部分で新しいニューロン(神経細胞)を誕生させる(神経新生)ことを知っています。海馬は哺乳類の脳で記憶を司る部位です。
2023年に行われた新たなネズミに関する研究では、中年期を通じてランニングを行うことが、海馬における成人期に誕生したニューロンを活性化させ、他の脳領域と良好に連携させる方法を明らかにしました。これにより、年齢関連の認知機能の衰退を和らげ、認知症のリスクを低下させる可能性があることが示唆されました。
研究者たちは、長期的なランニングが、中年期に成人期に誕生したニューロンを存続させる手助けをすること、またそれらのニューロンが海馬を中心とする神経ネットワーク内の大脳皮質および視底領域と「つながり」を保つことを発見しました。このネットワークは記憶機能をサポートします。
この研究の結果から、中年期(そしてそれを超えて)を通じて定期的なランニングルーチンを継続することが、早い成人期に神経新生により作り出された成人期に誕生したニューロンが生存し続け、脳が老化するにつれて活力を保ち続けるのを助けるかもしれないということが示唆されています。
自由にさせておけば、ネズミは大半の人間よりも自発的にランニングを追求する傾向にあります。多くの人がホームカーディオ器具を角に置き去りにしたり、全く外の有酸素運動を避けたりするのとは対照的に、ネズミには彼らの実験室内でランニングホイールにアクセスする機会が与えられ、その結果、ほとんどのネズミは一日に何度も自発的に走っています。
この新たな成人期に誕生したニューロンに関する最新の研究では、第一著者であるCarmen Vivar氏とその同僚たちは、同じレベルの身体活動を子供時代に経験したネズミのサンプルを無作為に分け、人間の年齢に換算して中年に入る時期に2つのグループに分けました。
研究者たちは、中年期を通じて継続的にランニングを行うことが、ニューロンの存続率とシナプス接続性を高めることを発見しました。これは、海馬で新たに生まれた成人期のニューロンを助け、記憶関連の神経領域への接続を保つためのものです。逆に、中年期にランニングを続けなかったネズミは、これらの脳の恩恵を経験しませんでした。
##使うか失うか:歳を取るにつれて活動的でいることが神経新生の恩恵を保つかもしれない 中年期を通じて運動を続けることに対する神経科学に基づいたモチベーションを探しているなら、この研究は、歳を取るにつれてカーディオを行うことが、若い成人期に身体活動を行うことから得られる神経新生の脳の恩恵を保つのに役立つ可能性があることを示しています。
私たちの脳(ヒトとネズミの場合)は、有酸素活動に対して類似の神経新生に関連した反応を示す傾向がありますが、中年期の人々が長期間のランニングから得られる同じ脳の恩恵を確認するためには、ヒトに関する研究が必要です。
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参考文献
Two Ways Mid-Life Running Beefs Up Benefits of Neurogenesis | Psychology Today