新年のご挨拶の前に,地震,空港での事故に遭われた皆さんに心よりお見舞い申し上げます。
不条理な問題に直面している皆さんが奮闘しておられる中で,普通の生活を送ることに罪悪感を持ちつつ,不条理な問題に直面していないからこそ,いつも通りの生活を淡々と送ることが大事であるという結論に至り,このブログを書いています。自分に何かできることがあれば,すぐにアクションを起こしたいと思います。
災害や事故のに遭い,避難しておられる方はもちろん,ニュースなどの情報に触れるだけで人はストレスを感じ,交感神経が優位になります。交感神経が優位になると,一過性の不眠症状や緊張が出現しますが,これは身体が危機に備えて準備している自然な反応です。しばらくすると落ち着きを取り戻し,症状は消失するものと考えられます。
被災された方,事故に遭われた方はより交感神経が覚醒していると思われます。信頼できる人々と一緒に過ごし,信頼できる情報サイトからサバイブするための情報を収集しましょう。実際に被害に遭われた方への専門的な情報提供は専門外であるため,この記事では差し控えます。この記事では,実際に被害に遭ったわけではなく,現在進行形の非日常をどのように生活して良いか混乱している方向けにストレスケアの方法をご紹介いたします。
ストレスケアの方法は,「環境調整」と「対処行動」の2つに分類されます。環境調整とは,ストレス因になりえるもの(例:情報)から一時的に距離を置く,情報に触れる時間を短くすることです。主にSNSやニュースサイトで情報を収集しておられると推察されますが,アプリを一度スマホからアンインストールする,ニュースを見る時間帯を決めるなどして,情報から距離を置いてみると良いかも知れません。対処行動とは,交感神経が優位になっている状態をバランスの取れた状態にするためにとる行動全般のことを指します。様々なストレスケアの方法が紹介されいますが,僕は身体を使ったストレスケアをお勧めしています。一つは,漸進的筋弛緩訓練,もう一つは散歩です。散歩は漫然と歩くのではなく,足の裏が地面から離れる感覚,重心が移動する感覚を観察しながら一歩一歩を丁寧に歩くことが大切です。また,遠くを見渡して目に入ったものの名前を言ってみる,聞こえる音すべてに意識を向けて,聞こえる音に名前を付けてみるなど,いろいろなところに意識を向けながら20分ほど散歩をしてみましょう。20分がどのくらいかというと,10分間歩いて到着したところから,スタート地点に戻るまでの時間です。玄関から外に出て,ひたすら右側に10分間歩くとどこにたどりつくでしょうか?頭でイメージすると意外と短いと思います。
2024年がスタートした初日から非日常がスタートしました。非日常も淡々と生活しているといつの間にか日常に戻っているという経験をしたことがある方は少なくないと思います。情報からの距離を調節したり,対処行動をこまめに行ってみて,日常が戻ってくるまでセルフケアを一緒に行いましょう。
あけましておめでとうございます。2023年は様々な苦しいことがありましたが,周囲の方々のサポートのおかげで無事に生き抜くことができました。すべての問題に決着がついたので,2024年は飛躍の年にしていきたいと思っています。
2023年は70名ほどの新規のクライエントさんとお会いすることができました。一期一会のクライエントさんもいらっしゃれば,継続して来室されるクライエントさんもおられます。「ちょっと話をしてみようかな」と思うことがあれば,お気軽にご予約してみてください。オンラインでも対面でも皆さんをお待ちしております。
2024年の現在の予定は,2月にトラウマ治療の方法論について新しい知見を学び,3月に学会で発表をすることが決まっています。どんな体験になるのか,いまからワクワクしています。
2024年が皆さんにとって素晴らしい一年になりますように!心から祈念しております!
こころの相談室UP
松元大地