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【論文紹介】COVID-19期間中のトルコの青少年における強迫症状(OCS)とうつ病症状及び不確実性に対する耐性の関係性の調査

要旨

新型コロナと心理健康の関係を探る
この研究は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの間にトルコの10代の若者を対象に行われました。主に、強迫症状とうつ症状の関係を調査しています。特に、不確実な状況への非耐性がこれらの症状の関連にどのように影響を及ぼすかを中心に研究しています。

背景

パンデミックと心理的脆弱性
新型コロナのパンデミックは、世界中の人々、特に10代の若者に大きな心理的影響を与えています。本研究は、パンデミックに伴う不確実な状況への非耐性が、10代の心理健康にどのような影響を与えるかを探っています。

方法

アンケート調査によるデータ収集
この研究で使用された方法は、トルコの14歳から18歳までの427人の若者に対して行われたアンケート調査です。このアンケートには、強迫症状、うつ症状、そして不確実な状況への非耐性を測定するための様々な質問が含まれていました。

結果

強迫症状とうつ症状の強い関連性
この研究の結果として、新型コロナに関連する強迫症状が、うつ症状の強い予兆であることが明らかになりました。さらに、不確実な状況への非耐性が強迫症状とうつ症状の間の関係を強化する役割を果たしていることが示されました。

議論

新型コロナが10代のメンタルヘルスに与える影響
この研究は、新型コロナパンデミックが10代の心理的健康に与える影響についての重要な洞察を提供しました。不確実な状況への非耐性が、強迫症状やうつ症状の発生に大きく関連していることが明らかになりました。

制限

研究の限界とその影響
本研究は、ある特定の時点でのデータを基にした横断的研究であり、時間を通じた因果関係を明確にすることはできません。また、参加者が特定の方法で選ばれたため、これらの結果を全ての人に一般化することには限界があります。

可能な応用

新型コロナと心理的健康問題への対処
この研究の結果は、新型コロナによる心理的な問題、特に強迫症状とうつ症状に対する治療や予防の方法を考えるのに非常に役立つ可能性があります。不確実な状況への非耐性を減らすための介入や、新型コロナに関連するストレスに対処するための心理教育プログラムの開発が考えられます。

参考文献
Şimşek, M. K. (2023). Investigating the Relationships between Obsessive Compulsive Symptoms (OCS) and Depression Symptoms and Intolerance of Uncertainty in Turkish Adolescents during Covid-19.