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醜形恐怖症と認知行動療法

はじめに

醜形恐怖症とは、自分自身や他人の顔や身体に対して異常な恐怖心や嫌悪感を抱く精神疾患のことです。この症状がある人は、普段の生活に支障をきたすことがあります。醜形恐怖症は、多くの人が抱える精神疾患であり、厚生労働省の調査によると、日本人の2.5%が醜形恐怖症であるとされています。今回は、醜形恐怖症について詳しく見ていきましょう。

醜形恐怖症とSNSの関連

ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)に関する査読付き論文のシステマティックレビューを用いて、ボディイメージおよび摂食障害の関係を調べた結果、特定の包含基準を満たす研究が20件あったことが明らかになりました。これらの論文では、SNSの利用がボディイメージや摂食障害と関連していることが示されています。特に、写真の閲覧やアップロード、近況報告によるネガティブなフィードバックを求めるなど、特定のSNS活動が問題であることが明らかになりました。(参考)

COVID-19のロックダウンがSNS利用に与える影響を明らかにし、SNS利用がボディイメージの乱れや低い自尊心と関連するかどうかを探ることを目的とした研究がありました。その結果、ロックダウンがSNS利用に影響を与えており、思春期・若い女性のやせ願望の増加や摂食障害リスクと関連している可能性が示唆されました。(参考)

以上から、SNSの使用と醜形恐怖症の間に関連性があることを示唆するエビデンスが存在することがわかりました。写真の閲覧やアップロードなどの特定の行為は、醜形恐怖症を持つ人にとって問題となる可能性があります。また、SNS利用に対するCOVID-19ロックダウンの影響は、思春期・若い女性の身体イメージ障害にも影響を与えることが示されています。

醜形恐怖症に対する認知行動療法

認知行動療法(CBT)は、身体醜形障害(BDD)に対して有効な治療法ですが、改善の余地があることが示されています(参考)

BDDに対するCBTのランダム化比較試験(RCT)について、公開試験と未公開試験を含む系統的レビューとメタ解析を行った結果、CBTはBDDの有効な治療法であるが、CBTの特異性や長期的効果についてはさらなる検討が必要であることが示されました(参考)

いくつかの研究では、異なる集団におけるBDDに対するCBTの有効性が検討されています。例えば、パイロット的なランダム化比較試験では、BDDを持つ青年に対するCBTの実現可能性、受容性、および治療結果が検証され、CBTが青少年のBDDの症状を軽減するのに有効であることがわかりました(参考)

別の研究では、成人の原発性BDDに対して新しく開発されたモジュール式CBT治療マニュアルを検証し、マニュアルは実行可能であり、受け入れられ、BDDの症状を軽減するのに有効であることが判明しました(参考)

また、BDDに対する新しい認知行動グループ療法について、ケースシリーズでデータを提供し、治療対象者ではBDDの症状が有意に減少し、治療後では82%、フォローアップでは77%の症例で障害が解消されたことが明らかになりました(参考)

結論として、認知行動療法は身体醜形障害のある人に対して有効な治療法ですが、その長期的な効果や特異性を調査するために、より多くの研究が必要であることが示唆されています。

醜形恐怖症の症状

醜形恐怖症の症状は、人それぞれ異なりますが、主な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 自分自身の顔や身体に対して異常な嫌悪感を抱く
  • 人前に出ることができない
  • 人と目を合わせることができない

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上記のような症状がある場合、「自分自身の外見についてとても気になる」と思われたり、「病院受診すべきか相談したい」と思われた方は、こちらからお気軽にご予約ください。