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【強迫性障害】汚染嫌悪と嫌悪刺激へのエクスポージャー

今回の論文

『汚染嫌悪と嫌悪刺激への繰り返しのエクスポージャー』

Adams, T. G., Jr, Willems, J. L., & Bridges, A. J. (2011). Contamination aversion and repeated exposure to disgusting stimuli. Anxiety, Stress, and Coping, 24(2), 157–165.

内容

最近の研究では,汚染嫌悪の病因と維持における嫌悪の中心的な役割が強調されている,また,汚染嫌悪の治療法として選択されているエクスポージャー&儀式妨害には適応可能であるが,嫌悪は馴化に対して抵抗性があることが示唆されている。

結果

(1)嫌悪への馴化は,汚染嫌悪高群では恐怖よりも遅いが,汚染嫌悪低群では遅くないことが示された。

(2)恐怖の減衰は,汚染嫌悪高群では汚染嫌悪低群に比べ速いことが示されたが,嫌悪の減衰は両群でほぼ同じである。

結論

汚染嫌悪が上昇した場合,嫌悪への馴れはより遅くなることを示している。

感想

先生方の仰るように,嫌悪感に対するエクスポージャー&儀式妨害は効果が出にくい様子でした。
たしかに臨床的な経験でも,確認強迫や加害強迫に比べて,洗浄強迫のケースは終結までに時間がかかる印象です。

さらに論文を調べてみて,嫌悪感に対するエクスポージャー&儀式妨害を最適化していかねばと思いました。